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オープンソースじゃなきゃ駄目 (イデア教養文庫 01) ペーパーバック – 2005/4/1
ソフトウェア開発を行う技術者にとっても、あまり良い方式だったとはいえません。
情報関係の仕事をしている方々なら、きっと心の奥に何か割り切れないものがあった筈です。
これは、ソフトウェアの開発方式や流通方式に問題があるからなのです。
ですから、「オープンソースじゃなければ駄目」なのです。
- 本の長さ128ページ
- 言語日本語
- 出版社イデア出版局
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104900561150
- ISBN-13978-4900561151
商品の説明
著者からのコメント
クローズソースでは、後から来た人達が、自分の独創のような顔をして、もう多くの先輩達にはありふれた方法でプログラムコードを積み上げ、本当の功労者には気が付きもせず通り過ぎ、追い越して行くでしょう。ソースに書き込まれたオーサー(作者)名は誰の目にも触れないのですから、そのアイデアの基礎を築いたのが、たとえあなただとしても、誰にも分らないのです。
オープンソースの世界は、木を植えた人が大切にされる場所です。もし、チャンスがあれば、開発するシステムをオープンソースにしてもらえるように交渉すべきです。そうすれば、そのシステムは開発者が愛情を持って育てゆける物になるのです。この本では、オープンソースの開発が開発者の為だけでなく、情報関係の企業経営の為にも、システムを使うシステム利用者の為にも有効に機能する事を説明しているつもりです。是非、経営層の方や、お客さまを説得する時の参考資料としてもご利用下さい。
抜粋
今までのソフトウェアの開発方式や流通方式は、利用者にも、ITサービス企業を営む人にも、ソフトウェア開発を行う技術者にとっても、あまり良い方式だったとはいえません。情報関係の仕事をしている方々なら、きっと心の奥に何か割り切れないものがあった筈です。
例えば、「以前は、日本で開発された使いやすいワープロソフトが沢山あったのに、今は何故それが殆ど使われなくなってしまったのか。」「どうして、ゲームソフト以外では日本から海外に輸出されるソフトウェア製品がないのか。」不思議だと思われませんか。
これは、ソフトウェアの開発方式や流通方式に問題があるからなのです。だから、「オープンソースじゃなければ駄目」。
オープンソースとは簡単に言うと、コンピュータのソフトウェアと一緒に、プログラムソースコードが付いて来るもののことです。このプログラムソースは音楽の譜面のような物で、これがあれば技術者はそのソフトウェアがどんな働きをするのかを読み取ることが出来るのです。
オープンソースの多くがインターネットからプログラムソースをダウンロードで取り寄せることが出来て、自由に使用できます。そのインターネットは、多くのオープンソースで支えられているのです。
例えば、インターネットはIPアドレスという番号で管理されていますが、このままでは使いにくいので、これをURLという人間が読みやすい番地で管理できるようにしています。この重要なシステムでは殆どBIND(バインド)というオープンソースが活躍しています。
また、ホームページを表示するためのサーバーとしてはApacheと言うオープンソースが良く使われていますし、メールのやり取りには、Sendmailが使われることが多く、これもオープンソースです。実はLinuxもインターネットを支える重要なオープンソースのソフトウェアの一つです。
インターネットという素晴らしいネットワークの環境が何故こんなに安価に利用できるのか不思議に思ったことはありませんか。それは、このように優れたオープンソースがたくさん使われているからなのです。
日本で最初にオープンソースとして発表された業務アプリケーションは、外食企業向けの食材受発注システムのセルベッサということになっています。オープンソースの業務アプリケーションはセルベッサが公開された1999年頃には、もう幾つかあったようですので、これは正しく言うと、利用企業側が主体的にオープンソースにした初めての事例だということだと思います。それまでは、大抵の業務用ソフトウェアのソースコードは秘密にされることが多かったのです。
兎も角、このセルベッサのオープンソース化と言う珍しい事例に立ち会った者として、お話させて頂く機会を持つことが出来ました。思い込みと、誤解の積み上げになってしまうかも知れませんが、恐れずに色々と書かせていただく積りです。私は私に出来ることをすることにしましょう。それが、オープンソースの精神でもある様な気がします。
オープンソースがシステムの開発スタイルを変える
デザインがただ機能を形にする仕事であった時代。その頃は製造業がデザイン部門を社内に持つことは、それ程難しいことではありませんでした。しかし、最近はデザイン会社がメーカーから独立して存在する時代になってきています。
その上、そのデザイン会社は芸術家が集まるサロンやアトリエの様相をしてきています。個性的で、斬新で、人々をワクワクさせ続ける必要がある現代の商業デザインは、芸術に非常に近いものになってきています。個人差が大きく出るため、画一的な企業管理とは相容れなくなっているのです。
まさに、最近のソフトウェア開発にも同じことが言えます。ソフトウェアは商業デザインと同じ様に、集団から個、伽藍からバザールへと変化し始めているのです。これは、システム開発に携わる人たちの仕事のスタイルに影響を与えずにはおきません。インターネットは開発者にとって、サロンでありアトリエとなって来ているのです。
ソフトウェア開発の現場は、工場からデザインハウスへと変貌し始めています。もう、会社の白い壁の中でプログラマーが仕事をしている姿が想像しにくいのです。
国際的な活動をしている大手ITサービス企業は、既に開発のスタイルを変えつつあります。オープンソースのコンソーシアムへの援助と、その成果の自社への取り込み。このサイクルでシステム開発と言う今までは非常にリスクの大きかった投資を、安定化させて行こうとしているように見えます。
ソフトウェア技術者の行方
オープンソース開発ではない今までのプログラマーは、非常に割の悪い仕事でした。ソフトウェアの著作権は特許権と異なり、全て開発企業のものとなるのが通例でした。従って、プログラマーにとっては、普通の職業と逆に経験は積み上げられるものではなく、削り取られるものだったのです。厳しいことを言えば、プログラマーは転職したあと、以前と同じコードは書けなくなってしまうのです。
40歳定年だとか、30歳定年だとか、ソフトウェア開発の現場でとんでもないことが言われていたのは、この所為だったのかも知れません。しかし、これからは違ってくるでしょう。企業がオープンソース開発を納得してくれるならば、コーディングは財産になります。オープンソースの優れたシステムを作るプロジェクトに参加出来たり、自分自身で素晴らしいオープンソースを作ったりすれば、それがどんな雇用形態で行われたとしても、プログラマーにとっても財産になります。これは401Kよりも素晴らしい年金制度代わりになるかもしれません。
ソフトウェア開発者が一番ソフトウェアの傍にいます。内容もよく理解しており、本当の意味でのオーナーとなっているのです。今までは、このプログラマーに対する評価がされていなかったので、ソフトウェア開発で十分に彼らの力を引き出すことが出来ていなかった可能性も高いのです。これからは、プログラマーも企業経営者と同じくらいのサクセスドリームが見られる時代になる筈です。
何時の間にか、周りを見回すと自分の作ったソフトウェアを使っている人ばかり。そして、まるでスターの様にサインを求められるプログラマー、これも悪くないでしょう。
著者について
登録情報
- 出版社 : イデア出版局 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 128ページ
- ISBN-10 : 4900561150
- ISBN-13 : 978-4900561151
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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(引用開始)オープンソースと言うときに、単にLinux等のオープンソースを上手に利用することだけを考える方も多いでしょう。しかし、それでは不十分です。オープンソースという言葉を、「オープンソースとして公開する」とか、「公開型でシステム開発をする」と言う意味に使いたいのです。オープンソースを作り出そうとして、初めて「オープンソース」していると言えるのです。(引用終わり)
だれかのものをうまく利用しようというのではなく、自らが主体となって行動し、発信していくことを著者は呼びかけています。まさしく、これが「オープンソース」の本質であり、「オープンソースする」という主体的行動が「オープンソース」なんだと私には伝わってきました。ある意味、本書はオープンソースの解説書・啓蒙書というより、決起文といえるかもしれません。
「おれが・おれが」「これは自分が考えたもの」と後生大事に抱え込むのではなく、オープンしてたくさんの人と情報を共有しながら、一緒によりよいものを創っていく。著者の熱い思いに触発されました。ぜひ、異分野の方にも手にとってもらいたい本です。
ことは勿論不可能。
家に届いた本を見て、がっかりした。
全文がゴチック体で印刷されていて、おまけに行間、字間が詰まっているため、
ほとんど本を読むというより、会社で品質の悪いプリンターで出力された出来
のわるいレポートを読むより読みづらい。
素人の自費出版ではあるまいし、お金を取って出版するのであれば、書体や
級数の配慮、紙面と字面のバランスなど配慮が必要だと思う。
これを読み通すことが出来た人は立派です。
「オープンソースがいいらしい」
「いや、あれじゃだめだ」
これまでは、オープンソースという仕組み・実態がどういうものなのか非常に気になりつつも、漠然としたイメージしか持っていなかった。また、オープンソースを解説した本はいろいろあったが、直接、システム開発業務等に従事しているわけではない自分には少々ハードルが高く、読み終わっても十分に理解できるようには思えなかった。
この本は、そんな自分にとってオープンソース理解の突破口になった。その意義、優位性が非常にやさしく解説されているとともに、一般的にオープンソース採用にあたって抱く様々な不安点をひとつひとつあげた上で、その考え方のどこが実情と違っているのか、誤解なのか、丁寧に説明されている。何よりも説得力があるのは、外食に勤める著者が、自社で開発したシステムをオープンソース化し、それを多くの同業他社が利用しているという体験を持つことだ。最初にその話をニュースで読んだ時には「そんな!多額のコストをかけて開発したものをライバル会社に?しかもあんな大きな会社が!?」と驚いたのだが、本を読んでゆくと、どういった経緯・発想でオープンソース化したのか、会社として業界としてどんなメリットがあるのか、会社に対してはどう説得をしたのか、などが明らかになってゆく。(逆に、委託開発の際に、外部の開発会社に“囲い込まれ”て、本来主導権をとるべき顧客企業が開発会社の顔色を伺い、不満をためてゆく過程の話なども、実によく聞く話で面白かった)
文庫本サイズのとても小さな本だが、価格をはるかに上回る価値・情報量の一冊だと思う。